2010-10-22 :

タルトとトルテ

タルトとトルテは違うの? 

はい、語源は一緒ですが、時代とともに分かれてきました。
タルトは、皆さんよくご存じの今も私たちが見ることのできるビスケットの生地の中に詰め物をするものです。
たとえばアンズのタルトや栗のタルトなどたくさんありますよね。
では、トルテはというとスポンジ状の生地にジャムやクリームを挟んだもののようです。歴史は古くもともとこのような分類はされていなかったのですが、16世紀くらいからタルトとトルテに分かれてきたようです。
このタルトとトルテのお話をするときに必ず作る私の大好きな伝統菓子があります。それはオーストリアのリンツという都市の銘菓リンツァートルテまたはタルトリンツァーというお菓子です。このお菓子は、タルトとトルテの分岐点になったお菓子といわれています。生地は、バターとアーモンドやノワゼットなどの木の実の粉がたっぷり入ったビスケット生地で、半分の生地をタルトの型に敷き詰め、その上にフランボワのジャムをたっぷり塗り広げ、残りの生地は、上から格子状に絞り出してしっかりと焼きます。焼きあがると不思議なことに、敷き詰めた生地はしっとりしていて、スポンジに近い食感がするのですが、上に絞り出したところは、カリカリとしてまるでビスケットのような食感に出来上がるのです。初めて友人のところへ焼いて持って行ったときに友人が、「手が込んだお菓子ね。下の生地と上の生地と2種類の違う生地で作ってあるのね。」と言ってくれたのです。とてもうれしかったのを覚えています。
                           リンツァートルテ

いつしか、時とともに卵を泡だてて作るジェノワーズに代表される軽い生地が作られるようになりジャムを挟んで作られるお菓子をトルテというようになったようです。そのためなのか、今でもトルテといわれるお菓子には、あんずジャムなどが間に挟んでつくるものもいくつかあります。これもリンツァートルテからの名残りなのかしらと思ってます。
ですが、リンツァートルテは今も伝統菓子としてウィーンやアルザスでは当たり前のようにお菓子屋さんで、買うことができます。お菓子の変遷を感じさせてくれる大好きなお菓子の一つです。

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